沼田まほかる「アミダサマ」を読んだ感想
・はじめに
・★評価
- 面白さ ★★★★★
- 分かりやすさ ★★★☆☆
- 気づきの多さ ★★★☆☆
- 総合おすすめ度★★★★☆
・あらすじ
不思議なコエで山奥に誘い出された悠人。そこには一人の住職と冷蔵庫があった。
冷蔵庫の中には小さい女の子が入っており、住職の家で育てられることとなった。
しかし、その判断に納得できず女の子に再び誘い出されるのを待ち続ける悠人。そして女の子を育て始めてからおかしなことが起こり始める村。
女の子にはどんな力があるのか、そして悠斗はどうなってしまうのか。それぞれの目線で描かれる物語。
・感想(ネタバレ含む)
読み終えてもなんて言っていいか分からない感じがありました。
心にグサッとくるセリフみたいなものはなくて、物語のあちこちに散りばめられている雰囲気とか、人の様子の変化とかから読み取っていく感じでした。
それぞれには大切な存在や考え(家族や宗教・神の存在)などがあって、それを守りたい!それに近づきたい!そういう気持ちを持って生きていると思います。
そのような気持ちがこの世を作り出しているのではないか、意識によって地球が回っているのではないか、それを伝えたい物語だと私自身は解釈しました。
今の世の中は正にそれが強くなっているように感じます。SNSの発達で誰か一人の何気ないつぶやきが世界中で拡散され、それが批判や賞賛、行動の変化に表れやすくなっています。
そんな中で影響力の強い人が一人現れるとそれに皆がついていく。それがいい方向に進めばいいのですがなかなかそんなに上手くいくこともなく、悪い方向に進むことの方が多い。そういう人が一人、また一人と増えていくと人々の心が攻撃的になり、世界全体の雰囲気が悪くなる。
それがこの物語では、ミハルの力によって引き起こされてしまっている。
ミハルには母さん、悠斗にはミハル、貞観には阿弥陀がいて、それぞれを欲している。ほしいものに向かって人は歩んでいくが、それが時には人々との間の亀裂や争いを生んでしまっているのかもしれない。
・まとめ
かなり粗い考察兼感想となってしまいました。最初はただのホラー小説かなと思ったのですが、何かこの本にはもっと隠された真意があるのではないか・・・そんな風に考えながら読み続けました。
読み終えてもまだ理解しきれていないのでこの本を読んだことのある方で、何か別の解釈や考え、気づきを得た方がいたらぜひコメントしていただくと有難いです。
以上、読んでくださりありがとうございました!!